2026.10.2 付 繊維ニュースに掲載していただきました。
以下、転載。
後加工でシルクの幅広げる
モノ作りのヒント提案
糸・編み地製造卸の長谷川商店は、後加工によってシルク生地の可能性を広げている。東京都内の製品染色会社などと連携し、シルクらしくない風合いや表情に仕上げる。従来にはない生地の提案で「デザイナーらのモノ作りのヒントになれば」と話した。
これまでは光沢感や手触りなど、シルクの良さを生かした生地を開発・展開してきた。そうした取り組みは継続するものの、今後は視点の異なる提案も推進する考えで、柄や色味も含め、顧客に面白いと思ってもらえるような質感や肌触りを持つ生地の打ち出しを増やしていく。
先染めの糸を使用し、地元の企業で整理加工を行ってきた。そのほかにも一宮市や和歌山県、京都府をはじめとする国内各産地の企業と連携し、新たな生地を生み出してきた。後加工では、東京都内の川合染工場(墨田区)や内田染工場(文京区)と取り組む。
ヒット商品のシルクフリースは、川合染工場の「東炊き(あずまだき)染」と組み合わせる。東炊き染は、植物あくや石灰を混ぜて炊きながら生地を染める江戸時代の「釜入れ」を現代風に再現した染色技法で、シルクフリースへの加工ではネップ感とマット感、膨らみ感が表現できる。
内田染工場との取り組みでは、顔料染めやブリーチ加工などによってビンテージ感を付与する。顔料染めは、独特のムラ感が表現でき、シルク混デニムなどにも応用する。基本は製品での染め・加工となるが、3メートル以内であれば生地で対応が可能という。
糸でも新たな提案を行う。中国の「スピンエキスポ」向けに開発した糸ではカシミヤに焦点を与てた。シルクや和紙、綿などと組み合わせるが、自社で保有する撚糸機を使った多様な打ち出しで差別化を図っている。「カシミヤの風合いが出ないカシミヤ混糸など、ほかにはない糸が人気」と話した。
欧州ラウンド用に作った糸は、製紐(せいちゅう)糸やスパイラルヤーンなどをラインアップしている。石川県でゴムひもなどを製造する企業と取り組んだ新商材では、衣料品や小物の縁取りに使うピコットテープをニット用糸にアレンジした。
同社は、2日まで東京都内で展示会を開催しており、客これらの糸や生地を紹介している。