MENU
Japanese English Chinese

NEWS

お知らせ
2024.12.27

繊研新聞 掲載

繊研新聞 掲載

2024.12.27付 繊研新聞に掲載していただきました。
以下、転載

 

残糸つないでニットプルオーバー
シルク糸の長谷川商店『通販生活』で販売

 残糸と仕事をつなぐ
 糸卸が本業で糸、編み地、アパレル製品を生産、販売する長谷川商店は残糸を活用する「tunagi」(ツナギ)プロジェクトを進めている。25年1月にはカタログハウスと協業してニットプルオーバーを販売する。これを機に、アパレルや小売りとの新たな取り組みも広げていきたい考えだ。
 同社の主力製品はシルクの先染め糸。効率よく大量に染色することが可能なチーズ染色を採用し、常時110色に対応するストック販売を売りにしている。
 チーズ染色の弱点は染めむらが発生しやすい点だ。円筒形のボビンに巻き取った糸を染める際、中央の空洞部分から染料が染み込むため色の濃度に差が出て、内側濃く、外側は薄くなる。1回の染色工程で1本あたり100グラムが廃棄され、年間では1トンを産業廃棄物として処理していた。
 残糸は倉庫に保管し、入りきらなくなれば捨てていたが、いかに活用できるかを以前から考えていたという。そこで着眼したのが、自社工場に設備している糸と糸をつなぐスプライサーの技術。残糸を一本の糸に生まれ変わらせ、これを編んで製品を作り、売ろうと思い立った。
 取り組み先として注目したのは「環境ファッションの提案を続けている」カタログハウス。廃棄物に新たな命を吹き込む循環型の物作りがはまるとみた。ニットプルオーバーを企画し、同系色4本を撚り合わせて編み立てた。客層は50代を中心に60、70代も多いことから、落ち着いた柔らかい表情にしょうと糸を起毛させ、シルク特有の光沢感を抑えた。毛羽立った杢調の無地で糸のつなぎ目をぼやかす効果も狙った。
 袖口をベージュ系の編み地で切り替えたピンク系と、パープル系の袖口にベージュ系を組み合わせた2種があり、税込み2万2000円。25年1月6日発行の『通販生活』で販売する。
 「(スプライサーなど)糸メーカーの設備と技術がないとできない企画を具現化できてうれしい」と企画部ニッティングチーフの八橋徹さんは話す。量や色調が様々な残糸で1品番を安定的に生産するためには残糸の在庫管理も肝心。例えば、「今回のニットプルオーバーであれば、必要な杢糸を作るためにどの色の糸をどのくらい確保しておかないといけないか把握できていないと服を量産できない。日頃から残糸を整理している社員がいるからできた」(営業統括部長の三島健太郎さん)。技術と社員の「地道な」仕事の積み重ねがつながって実現した今回の企画に期待がかかる。

アーカイブ

長谷川商店イメージ01
長谷川商店イメージ02
長谷川商店イメージ03
長谷川商店イメージ04
長谷川商店イメージ05
長谷川商店イメージ06
長谷川商店イメージ01
長谷川商店イメージ02
長谷川商店イメージ03
長谷川商店イメージ04
長谷川商店イメージ05
長谷川商店イメージ06
PAGE TOP